尖った読書サークル、始めます

SNSで度々、読書を主軸にしたイベントの呼びかけを見かける。

僕も読書家を自称する端くれなので、読書会やビブリオバトルなどのイベントには興味があるし、読書傾向が似ている友人が欲しくて参加したこともある。

しかし、実際に参加してみると「思ってたのと違ったな~」ということが少なくなかった。

その後も、いくつかのイベントに参加していくなかで、企画の優しさゆえにミスマッチが起きてないか?と思い始めた。

このイベントってどんな雰囲気になるの?

僕は普段、企業理念を歴史上の人物になぞらえてストーリー仕立てで伝える研修プログラムを作っている。

例えば、あるメーカーから企業理念ができるまでの経緯をヒアリングして

「ライト兄弟っぽいすね!ライト兄弟のストーリーと御社の企業理念の共通項を抽出して全社員向けの研修つくりましょう」

とか、若者の未来を明るくしようとする教育機関と話をして

「20年先の未来を考える、というのはリンドン・ジョンソン大統領も近しいこと言ってましたね。アメリカ公民権運動を基軸に、未来を考えるワークショップやりませんか?」

みたいなことをやっているわけだ。
※興味を持った方がいれば問い合わせフォームから連絡ください。

自ら企画提案をする身として、ひとの時間を拘束することの重みを僕は理解しているつもりだ。
時間を拘束する以上は、相手に価値のある時間を提供したい。いや、しなければ、失礼だと思っている。

翻って、SNSで参加者を集うイベントの多くは、どんな結果を目指しているのかが明記されていない。

それもそのはずで、多くの場合は読書仲間の輪を広げることが趣旨になっているからだ。

……とは言え。
とは言えである。

イベントに参加してみたら思っていたものと違いました、ということはありませんでしたか?

そういうミスマッチがあると僕は悲しい気持ちになるし、きっと主催者も悲しい気持ちにさせてしまっているだろう。

僕はこういった悲しいミスマッチを減らしたいし、そのためには優しい企画は尖らせるべきだと主張したい。

つまり、万人受けするようにあえて詳細を詰めていない優しい企画は、当日がどんな場になるのか分かりにくいことがミスマッチを引き起こす要因だと思っている。

尖った企画がイベントの雰囲気を決める

で、具体的に優しい企画を尖らせるとはどういうことか?

例えば、【1泊2日でキャンプする会】が企画されたとする。

このイベントがどんな雰囲気になるのか予想できるだろうか?

難しいと思う。少なくとも僕には予想がつかない。
キャンプにかける参加志望者の熱量が企画段階で絞られていないからだ。

ではどうしたら良いか。
僕が推奨するのは、企画コンセプトを尖らせることだ。

具体例として、上記のキャンプ企画を次のように変更してみる。

【1泊2日でキャンプする会】

【自分の焚火台を自慢するキャンプ会】

この企画であれば、キャンプ道具をそろえるくらいにはハマっていて、なかでも焚火が好きなひとが集まりそうだ、というくらいは予想できる。

重要なのは、企画を見かけた不特定多数のひとがイベントの雰囲気をなんとなく予想できることだ。

企画コンセプトはやや尖っているぐらいの方が結果的に参加者のミスマッチは減らせそうだぜ、ということを声を大にして主張したい。

ちなみに、告知の際のちょっとしたコツになるけど、【どんな企画か】→【何のための企画か】の順番で告知するとより参加志望者に親切になる。

なぜなら参加者は
①企画の趣旨に興味を持つ
②企画の思想に共感する
③企画への参加を決意する
という順番で動くからだ。

結論、僕は読書サークルを作りたい

長々と語ってきたけど、今日の結論はこれだ。

僕は読書サークルを作りたい。

ここまで読んでいただいた方には、すでに予想はついていると思うけど、僕の作りたい読書サークルは少し特殊だ。

コンセプトは「知識は深めるけど人間関係は深めない読書サークル」である。

やや癖のある企画なので、当然ルールも設けている。

  1. 自己紹介禁止
  2. コミュニケーション内容の指定
  3. エビデンスチェックはその場でして良い
  4. 入退場自由

順を追って説明したい。

1.自己紹介禁止

まず僕は、初対面でやりがちな探り探りのコミュニケーションがあまり好きじゃない。
「仕事は○○です」「休日は○○をして過ごします」とかいう当たり障りがないやつだ。

僕が適当に思いついたサークルに継続的に参加するひとが多数派になるとも思えないし、だとしたら今後も関係が続くことを前提とした探り探りコミュニケーション不要じゃない?

「読書サークルの参加者です」と、ひと声をかけて着席と同時に持ってきた本を読み始めてください。

スポーツバーで知らない外人とハイタッチするぐらいの情報量0の関係でいいよ。
相手の持ってきた本を見てなんとなく人物像を想像してくれ。

2.コミュニケーション内容の指定

申し訳ないけどサークル内での発言内容はかなり絞られると思ってほしい。

基本的には「読んでいる本に出てきた面白い記述」「それに関連した付随知識や経験談」の2つだ。

以下は僕と友人の会話の例である。

僕「古代エジプトではナトロンを砕いて青い顔料にしていたんだってさ。ラピスラズリかと思ってたけど違うんだね」

友人「ナトロンは水を吸収するからミイラの保存にも使われていたはず。実用性も兼ねてナトロンが良かったのかもね。ラピスラズリってエジプトでも採掘できたのかな?」

僕「へぇ、ミイラの保存にも使われていたんだ。ラピスラズリは染料としてはウルトラマリンとか言われていて、『地中海を越えたもの』を意味しているからエジプトにもありそうじゃない?もしくは中東?調べるか」

友人「(黙って読書に戻る)」

この時に読んでいた本は「世界を変えた50の鉱物」

こんな感じで、誰かの面白いに付随知識を出して知識の連結と共有をメインコミュニケーションにしたい。

共有された面白記述に対して感想がなければ無視して自分の読書に集中してくれて全然OK!

僕「スティーブ・ジョブズのケンカの仕方がほぼ中学生。痛いところ指摘された返しが『でもお前の英語訛ってるじゃん!』は笑う」

友人「ふーん(読書を続ける)」

僕「(黙って読書に戻る)」

この時に読んでいた本は「ピクサー 早すぎた天才たちの大逆転劇」

こんな感じで適当に流していこう。

一期一会になる可能性が高いので相手に気を遣って話を盛り上げる必要はありません。
人間関係は深めないサークルなので。

3.エビデンスチェックはその場でして良し!

知識の輪を広めたいけど、広めたいのはあくまでも正しい(と思われる)知識である。

誰かの見つけた面白記述の信憑性が疑わしい時はエビデンスチェックをする文化を作りたいし、それは失礼なことではないという認識でいてほしい。

僕は以前、選書センスがめちゃくちゃ良いフォロワーさんからスタンフォード監獄実験の本を紹介してもらったことがある。

スタンフォード監獄実験は、端的に言えば人間は与えられた役割によって行動規範が決まるという20世紀でもっとも有名な心理実験だ。そのインパクトの強さにより、映画化までされている。

ところが、この実験はリアリティショー以上にやらせ要素が強かったことが近年判明している。
ルドガー・ブレグマン「希望の歴史」の上巻を参照

どのような意図でスタンフォード監獄実験の本を薦めてくれたのか、実験の再現性が低いことを知っていたのかなどの話をしてみたかった……!

上記のようなやりとりを、気兼ねなくできるようにしたいし、「スタンフォード監獄実験がやらせって言ってる本は本当に正しいの?」みたいなカウンターの応酬もあってほしい。

繰り返しになるけれど、人間関係は深めないサークルなのでカウンターの際に「これ言ったら嫌われるかも」などと恐れないでほしい。

でも攻撃的な言い方にならないように配慮はしてね。

※小説やビジネス書などエビデンスチェックと無縁になりそうな本も歓迎です。
僕は小説をほとんど読まないので、小説の面白記述を共有してくれると嬉しいです!

4.入退場自由

読書イベントで僕が一番ネックな問題だと思ったのは拘束時間の長さだ。

普通に2時間とかとってるけど、これ結構な時間よ。
イベントが面白くなければ許されないと思う。

僕は以前デンマーク人と一緒に仕事をしていたのだが、彼らは待機時間や移動時間についても「ヘイヘイ、そいつは拘束時間だからお金を払ってもらわないと困るぜ」というスタンスだった。

わかりみのケルマデック海溝である。

雷句誠「金色のガッシュ」より

僕の読書サークルでは各自の読みたい本を読んで、時々アウトプットしてもいいししなくてもいいので、好きなように時間を過ごして、好きなタイミングで帰ってくださいというスタンスである。

時間の拘束には対価が発生するので、それならいっそ拘束のないサークルにしたろ、という発想だ。

僕が「〇月〇日の〇時からどこどこのカフェで本を読みます。一緒に本読もう~」みたいな告知を多分当日とか前日にするので来てもいいし来なくてもいいし、来て早々に帰ってもいいです。

そんな感じで、ゆるくやっていきたいので、興味がある人は僕のTwitterアカウントをフォローしてください。

一緒に本を読みましょう。
適当なタイミングで開催日時をツイートします。